FC2ブログ

明日に架ける橋

易のこと、音楽のこと、クルマのこと、その時どきの話題など、まぁ、気が向くままに書いています。

水天需

05 水天需(すいてんじゅ)
suiten.gif 乾下坎上(けんか かんじょう)

八卦のkenten-n.gif乾(けん)の上にkansui-n.gif坎(かん)を重ねた形。

需は待つという意。
乾を天とし坎を雲とすれば、雲が天に上った様子。
雲が天に上れば、必ずいつかは、雨となって降り下る。
したがって、そろそろ大地を潤す雨が降りそうなので、それを待っているときを表現していることになる。
だから需と名付けられた。
また、乾を進むとし、坎を川とすれば、進み行きて目の前に川がある様子。
川は、増水しているときに無理して渡れば事故にもつながる。
水の勢いが穏やかなときを待って渡るものである。
だから需と名付けられた。
また、乾を進とし、坎を険難とすれば、このまま進めば険難に陥る暗示となる。
そんなときは、一休みして、しばらく待つのが賢明である。
だから需と名付けられた。

卦辞
需、有孚元亨、貞吉、利渉大川、
需は、孚(まこと)有(あ)れば元(おお)いに亨(とお)る、貞(ただ)しくして吉(きち)、大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろし、

ここに、元いに亨る、というのは、今直ちにということでなはく、状況をよく判断し、焦らずに時を待って後に事を行えば、目的は達成できる、ということである。
しかし、孚のない者=言うなれば自己中心的な人は、ちょっと待つだけで退屈したりイライラして、無理にでも事を行おうとする。
そういうことでは、どんなに素晴しい事でも、失敗するものだ。
だから、孚有れば元いに亨るのであって、貞正を守り、時宜を見極めて事を行えば吉となるのだ。
そして、そういう孚の有る者ならば、川を渡るときも、慎重に水の勢いが穏やかなときを待って、安全に渉ろうとするから、どんな大きな川を渉るにも、利よろしいのである。


彖伝(原文と書き下しのみ)
需、須也、険在前也、剛健而不陥、其義不困窮矣、
需(じゅ)は、須(ま)つ也(なり)、険(なや)み前(まえ)に在(あ)る也(なり)、剛健(ごうけん)にして而(しこう)して陥(おちい)らず、其(そ)の義(ぎ)困窮(こんきゅう)せず、

需有孚元亨、貞吉、位乎天位以正中也、
需(じゅ)は孚(まこと)有(あ)れば元(おお)いに亨(とお)る、貞(ただ)しくして吉(きち)なりとは、天位(てんい)に位(くらい)して正中(せいちゅう)なるを以(も)って也(なり)、


象伝(原文と書き下しのみ)
雲上於天需、君子以飲食宴楽、
雲(くも)が天(てん)に上(のぼ)るは需(じゅ)なり、君子(くんし)以(も)って飲食(いんしょく)宴楽(えんらく)す、


ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。
漢字は原則として新字体で表記しています。
易の初歩的なことについては、
私のサイトの易学入門ページをご覧ください。
また、六十四卦それぞれの初心者向け解説は、オフラインでもできる無料易占いのページをご覧ください。占いながら各卦の意味がわかるようになっています。


☆ 旧約聖書~天地創造との一致 ☆

ところで、キリスト教の『旧約聖書』冒頭には、神が六日間でこの世界を造った、という神話がありますが、この場面での神の行動は、六十四卦の序次の順と同じなのです。
第一日目は、序次最後の64火水未済と、序次冒頭の01乾為天、02坤為地、03水雷屯、04山水蒙の計5卦の意味するところと一致します。
第二日目は、続く05水天需、06天水訟、
第三日目は、続く07地水師、08水地比、
第四日目は、続く09風天小畜、10天沢履、
第五日目は、続く11地天泰、12天地否、
第六日目は、続く13天火同人、14火天大有、
の意味するところと一致します。

これは単なる偶然の一致でしょうか?
あるいは、易はすべてを見通していて、どんなことでも易経の卦辞や爻辞のとおりに動くからでしょうか?
いや、そんなことはありません。
だから、未来を知るためには、筮竹で占うことが必要なのです。
では、このキリスト教との一致はどういうことなのでしょうか?
それは、『聖書』の物語が、易の理論を利用して作られたものだったからに他なりません。
・・・と、これだけを取り上げて言っても、説得力は弱いでしょう。
しかし『聖書』に書かれた物語は、ほかにもいろんなことが易の理論と共通していて、それらは六十四卦の序次によって幾何学的に繋がっているのです。
易を知らなければ、神学者や聖書研究者がいくら頑張っても、まったくわからないことでしょう。
しかし、易を少しでも知っていれば、誰でも容易にわかることなのです。
詳細は拙著『聖書と易学-キリスト教二千年の封印を解く』についてのページをご覧ください。
聖書と易学―キリスト教二千年の封印を解く聖書と易学―キリスト教二千年の封印を解く
(2005/04)
水上 薫

商品詳細を見る

ちなみに表紙の右下のほうに白線で示しているのは、08水地比の卦象です。
キリスト教のシンボル十字架と中心教義の「愛」は、08水地比の卦象がもらたす意味と一致しているのです。

(C) 学易有丘会


PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する