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明日に架ける橋

易のこと、音楽のこと、クルマのこと、その時どきの話題など、まぁ、気が向くままに書いています。

坤為地

02 坤為地(こんいち)
konichi.gif坤 坤下坤上(こんか こんじょう)

八卦のkonchi-n.gif坤(こん)を重ねた形だから、坤と言う。

坤とは、従順、おとなしい、といった意味。
六本すべてが陰なので純陰であり、陰は、その性は柔、その徳は従順、その体は方正、その用は厚く載せるであり、退き止まり承け順う徳がある。
従って、その陰の特質をもって坤と名付けられた。

卦辞
坤、元亨、利牝馬之貞
坤は、元(おおい)に亨(とお)る、牝馬(ひんば)の貞(ただし)きに利(よろ)し、

元いに亨るとは、大いに通じる=目的を達成できる、ということであって、その義は乾の卦辞と同じである。
しかし乾のときの元亨は、剛健だからこそであって、この坤の場合は、従順であってこそ、元いに亨るのだ。
牝馬というのは、メスすなわち陰の馬のことである。
そもそも馬は、従順にして、よく人に馴れ従うが、牝馬ならその性質はなおさらである。
だから牝馬のように、従順に、臣や妻のように、君や夫に、貞正に従うのが利ろしい、と言う。

君子、有攸往、先迷、後得主、安貞吉
君子(くんし)往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)れば、先(さき)には迷(まよ)い、後(おく)れれば主(しゅ)を得(え)る、

君子とは、下の者の上に立つ人物を指す言葉だが、この卦においては臣や妻など、同時に上に従うことも大事にしなければいけない立場の者を指す。
会社で言えば中間管理職といったところだろうか。
陽は陰に先立ち、陰は陽につき従うものである。
もし、陰なる者が、陽より先に出て何かをやろうとすれば、道に迷い失敗する。
それが、君子往く攸有れば、先には迷い、ということである。

したがって、よき陽の先導者を見つけ、その後ろに従ってついて行くのがよい。
これが、後れれば主を得る、ということである。

そして、これこそが陰徳として貞(つね)に大事にするべきことであり、そのスタンスに安んじていれば、何事も無事に進み、吉なのだ。
だから、安貞吉と卦辞は締めくくられるのだ。


彖伝(原文と書き下しのみ)
至哉坤元、万物資生、乃順承天、
至(いた)れる哉(かな)坤(こん)の元(げん)は、万物(ばんぶつ)資(と)りて生(しょう)ず、乃(すなわ)ち天(てん)に順承(じゅんしょう)す、

地厚載物、徳合无疆、
地(ち)は厚(あつ)くして物(もの)を載(の)す、徳(とく)无疆(むきゅう)に合(ごう)す、

含弘光大、品物咸亨、
含弘(がんこう)光大(こうだい)にして、品物(ひんぶつ)咸(ことごと)く亨(とお)る、

牝馬地類、行地无疆、柔順利貞、
牝馬(ひんば)は地(ち)の類(たぐい)なり、地(ち)を行(ゆ)くこと疆(かぎり)无(な)し、柔順(じゅうじゅん)にして貞(ただ)しきに利(よ)ろし、

君子攸行、先迷失道、後順得常、
君子(くんし)行(ゆ)く攸(ところ)あるときは、先(さき)だてば迷(まよ)うて道(みち)を失(うしな)い、後(おく)るれば順(じゅん)にして常(つね)を得(え)る、

西南得朋、乃与類行、東北喪朋、乃終有慶、
西南(せいなん)に朋(とも)を得(え)るとは、乃(すなわ)ち類(るい)と与(くみ)して行(おこ)なうにして、東北(とうほく)に朋(とも)を喪(うしな)うとは、乃(すなわ)ち終(おわ)りに慶(よろこ)び有(あ)るなり、

安貞之吉、応地无疆、
貞(つね)に安(やす)んずるの吉(きち)なりとは、地(ち)の无疆(むきゅう)に応(おう)ずるなり、


象伝(原文と書き下しのみ)
地勢、坤、君子以厚徳載物、
地勢(ちせい)は、坤(こん)なり、君子(くんし)以(も)って徳(とく)を厚(あつ)くして物(もの)を載(の)す、


ここに書いているのは、江戸後期の名著、眞勢中州の『周易釈故』より抜粋し、現代語で意訳したものです。
漢字は原則として新字体で表記しています。
易の初歩的なことについては、
私のサイトの易学入門ページをご覧ください。
また、六十四卦それぞれの初心者向け解説は、オフラインでもできる無料易占いのページをご覧ください。占いながら各卦の意味がわかるようになっています。


☆ 旧約聖書~天地創造との一致 ☆

ところで、キリスト教の『旧約聖書』冒頭には、神が六日間でこの世界を造った、という神話がありますが、この場面での神の行動は、六十四卦の序次の順と同じなのです。
第一日目は、序次最後の64火水未済と、序次冒頭の01乾為天、02坤為地、03水雷屯、04山水蒙の計5卦の意味するところと一致します。
第二日目は、続く05水天需、06天水訟、
第三日目は、続く07地水師、08水地比、
第四日目は、続く09風天小畜、10天沢履、
第五日目は、続く11地天泰、12天地否、
第六日目は、続く13天火同人、14火天大有、
の意味するところと一致します。

これは単なる偶然の一致でしょうか?
あるいは、易はすべてを見通していて、どんなことでも易経の卦辞や爻辞のとおりに動くからでしょうか?
いや、そんなことはありません。
だから、未来を知るためには、筮竹で占うことが必要なのです。
では、このキリスト教との一致はどういうことなのでしょうか?
それは、『聖書』の物語が、易の理論を利用して作られたものだったからに他なりません。
・・・と、これだけを取り上げて言っても、説得力は弱いでしょう。
しかし『聖書』に書かれた物語は、ほかにもいろんなことが易の理論と共通していて、それらは六十四卦の序次によって幾何学的に繋がっているのです。
易を知らなければ、神学者や聖書研究者がいくら頑張っても、まったくわからないことでしょう。
しかし、易を少しでも知っていれば、誰でも容易にわかることなのです。
詳細は拙著『聖書と易学-キリスト教二千年の封印を解く』についてのページをご覧ください。
聖書と易学―キリスト教二千年の封印を解く聖書と易学―キリスト教二千年の封印を解く
(2005/04)
水上 薫

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ちなみに表紙の右下のほうに白線で示しているのは、08水地比の卦象です。
キリスト教のシンボル十字架と中心教義の「愛」は、08水地比の卦象がもらたす意味と一致しているのです。

(C) 学易有丘会


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