
平成26年3月14日
この3月11日、東京の国立劇場で、東日本大震災三周年追悼式が行われた。あのときの記憶はまだ生々しく脳裏に映る。
亡くなられた方々には、心からご冥福をお祈りいたします。
さて、その追悼式の中では、安倍総理大臣が式辞を述べられた。
その中に、どうしても違和感が耳に残った部分があった。
式辞の終わりに近いところの、
「復興を更に加速し、
被災者の方々が一日も早く普通の生活に戻られるようにすることが、
天国で私たちを見守っている犠牲者の御霊に報いる途(みち)です。」
というところだ。
なお、式辞の全文については、↓でご確認ください。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0311sikiji.html
この中の「天国で私たちを見守っている犠牲者の御霊」とは、どういうことだろうか?
「天国」とは、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の死者が行くところで、
他の宗教徒が行くところではない。
犠牲になったのはキリスト教徒とイスラム教徒とユダヤ教徒だけだった、ということだろうか?
仏教の浄土宗や浄土真宗の信徒ならば、御霊は西方浄土の極楽にいるのだから、
当然「天国」と称する場所にはいないはずだ。
その他の仏教の宗派の死後観はよく知らないので正確なことは言えないが、
少なくとも「天国」に御霊はいないはずだ。
神道の場合ならば、黄泉の国に行ったことになる。
また、宗教的ではない言葉として「草場の陰」というのもある。
草場とは亡くなった場所あるいは埋葬された場所といった意味で、
霊はそのまま遺体、遺骨ととともにそこにいる、という考え方だ。
日本がキリスト教国ならば、天国から犠牲者の御霊が見守っていると発言しても問題はないだろう。
しかし、御霊が行く場所は、宗教によって違う。
それを弁えず、単に「天国」と言ってしまうのは、
信教の自由を憲法で保障している国の総理大臣として、いかがなものだろうか?
どうせ憲法は改正して信教の自由はなくし、何れはキリスト教国にする、ということなのだろうか?
安倍総理は、どうも胡散臭い人間のように思えてきた。
もっともマスコミでは、
ニュースでもドキュメンタリーでも、
死者の行く場所を天国としてナレーションすることも多い。
公共放送のNHKしかりである。
そもそもは、GHQの占領政策から始まったらしい。
GHQは日本をキリスト教国にするべく、激しい言論弾圧をやった。
子供たちがお寺や神社で楽しく遊ぶ様子を記事にしようと、原稿をGHQに持って行くと、
検閲を通らず、代わりにキリスト教の教会で子供たちが楽しく遊ぶ記事を書くように指示される。
その指示に従わなければ雑誌でも新聞でも単行本でも出版できない。
出版できなければ、その出版社は倒産する。
仕方なく、GHQの指示に従って、キリスト教のイメージアップのための記事を書いて出版する。
ラジオ放送も同様だった。
占領が終わった後も、米軍は駐留し続けている。
おそらく、武力による弾圧はなくなったとしても、その威圧感から、
放送も出版も、キリスト教のイメージアップになるようにしていたのではないだろうか?
そのため、この平成の現代になると、
テレビのアナウンサーやレポーターは、
普通のことであるかのように、キリスト教の言葉を使って放送するようになった。
私はキリスト教が嫌いだ。
嫌いになった理由は、キリスト教には嘘が多いからだ。
その嘘の中の最も大きいことは、
西洋のオリジナルではなく、実は中国古典哲学をパクって作った宗教だった、
ということである。
西洋の中だけでチマチマやっているなら、それでよいが、
世界宗教だなどと言って世界中で布教しているのが気に入らない。
そんなこと言う人はあまりいないだろう。
しかし、私はその動かぬ証拠を掴んだのである。
その証拠を書いたものが、
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である。
この本だ出すまでは、かなり紆余曲折があった。
キリスト教を非難する内容の本は出したくない、という出版社が多いからだ。
それでも、出版や編集に携わっている人々の中に、ほんの少しだが私の思いを理解していただけた方々がいた。
その厚意により、なんとか九年前に出版できたのだ。
出版に際しては各マスコミにお願いして回ったが、なかなか色よい返事は貰えなかった。
そんな中、週刊文春が新刊コーナーに数行の記事を書いてくれた。
嬉しかった。
しかし、やはりマスコミは基本的にキリスト教シンパのようで、
あまり宣伝はして貰えなかった。
で、結局今日まで細々と売っている、という状態が続いている(笑)
話が脱線したが、私の本のことはどうであれ、
内閣総理大臣の式辞で「天国」という言葉を使うのは、
憲法が保障している信教の自由に反すると思うのだが・・・。


